Q15 石炭という名前をつけたのは誰ですか。

石炭に「石炭(せきたん)」という名前をつけたのがいったいだれなのかは、残念ながらわかっていません。
木炭のかわりに石炭が生活のなかで多く使われるようになったのは、江戸時代(えどじだい・1603年〜)になってからですが、
そのころ日本では石炭のことを「焚石(たきいし、またはなまいし)」「燃石(もえいし)」「うに」「五平太(ごへいた)」などと呼んでいたようです。
おもしろい呼び名ですね!

俳句(はいく)で有名な松尾芭蕉(まつお ばしょう)も石炭について一句よんでいます。

伊賀山家にうにという物あり。土の底より掘り出して薪とす。黒色にしてあしき香あり。

香に匂へ うにほる岡の 梅の花

(かんたんな訳:伊賀の国(現在の三重県)には、うに(石炭のこと)というものがあり、土の底から掘り出して薪のように使う。色は黒く、もやすと強いにおいがする。
(句の訳)うにを掘る丘にも梅の花が咲いている。うにをもやして出るけむりのにおいをかき消してくれるから、梅の花よ、もっとかぐわしい香りをふりまいておくれ。)

「石炭」という文字が使われているもっとも古い書物は、貝原益軒(かいばら えきけん)という人が日本の草・木・土・石について調べて書いた『大和本草(やまとほんぞう)』(1708年完成)です。
この巻三に「石炭」という項目(こうもく)があり、石炭についての説明(せつめい)が書かれていますが、ここには「もえいし」というふりがながふられています。

1772年に木内石亭(きのうち せきてい)という人が書いた『湖上石話 雲根志(こじょうせきわ うんこんし)』という本にも「石炭」という項目があり、ここにはじめて「せきたん」というふりがながふられています。

同じ日本の中でも、地域によっていろいろな呼び名で呼ばれていた石炭ですが、1770年ころには「せきたん」と呼んでいた人もいたようですね。


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